私が常々思うのが、北山杉・北山丸太はあらゆる木材の中で
最も丁寧に人の手で扱われている木材の一つではないかという事です。
現在の林業、製造業は機械化されて
効率的かつ均一な製品が出来上がるように工夫されています。
そんな中、北山杉の生産現場は多少機械化されている面はありますが、
まだまだ機械化されず、手作業での工程が多く残っています。
製品:天然ちりめん絞丸太 不規則に細かい絞り(縦線)模様が入っているのが特徴
今のところ機械化できず手作業しかできない工程を、
1本の北山杉・北山丸太が住宅や和風建築の床柱や構造に使われるに至るまでの流れとともに説明します。
第一章 山で一人前の木に育つまで(約20年~70年)
第二章 伐採、製造(約1年~)
第三章 出荷、建築につかわれるまで(約半年~1年)
第一章 山で一人前の木に育つまで(約20年~70年)
・「枝打ち」
平均で30~40年位育った木を伐採するのですが、
それまでに「枝打ち」という木に登って枝を切り落とす作業を約3~5年ごとに行います。
北山杉の「枝打ち」は他の木とは違い、えぐり取るように枝を切り落とすことで表面が滑らかになります。
また長物(10m以上)の北山杉を作ることもありますので地上15m以上に登らなければなりません。
枝打ちされたばかりの北山杉 白い箇所が枝打ちされた後
・「密植(みっしょく)・間伐」
細長くスラリとした木に育てる為に苗木は「密植」して等間隔で植えます。
木は光を目指して育つ習性があるので、密植することで横に伸びず真っ直ぐに伸びようとします。
木が育ってくると、木と木の間が狭くなるので、成長の遅い木を「間伐」により伐採します。
密植して植えられ間伐される前。日の光が入らず育ちにくい状況。
適度に間伐された山。日の光が入り、育ちやすい環境。
第二章は次の丸太雑記にて説明します。
見学やご購入で来ていただいた方にはご要望に応じてこれらのご説明を致します。
事前のご相談がありましたら、山の見学、伐採の見学、製造の見学などもご案内させていただきます。
ご興味のある方、ご相談などお問い合わせいただければと思います。
メール:info@uenomeimoku.jp お電話:080-2517-1411(上野)
※北山杉・北山丸太の育て方にはいろいろな方法があります。
生産者が約700年の歴史の中で試行錯誤しながら培ってきたもので
上記の製造方法が全てではありません。