今回は京都の漬物店の店舗内装をご提案させていただいた時の施工例です。
その時のエピソードも添えて説明します。
京都創業の漬物屋さんが人気観光地に新規店舗を出店されるということで、
当初カウンターテーブルのご依頼をいただきました。
まずはご来店いただき、テーブル候補の板を見ていただいたり、倉庫の北山杉をご案内したりと、
イメージを膨らませていただきました。

テーブル板
また私(上野)も店舗予定地に調査に行き、対話を重ねる中で、
その周囲の土地柄や周辺店舗などとの一体感や協調性を考え、
街並みに加わる店舗として、京都の木を使った京都らしい和の店舗になるようご提案致しました。

寺社仏閣や数寄屋建築などが立ち並ぶいかにも京都らしい街並み
ご提案し採用いただいたのが
カウンターテーブル、腰板、間仕切り、看板板、丸テーブルです。
カウンターテーブルは当初一枚板でケヤキや栃など国産の広葉樹で進めていましたが、
京都の木である北山杉を使えないかということで、
1本の北山杉からカウンターテーブルを作ることができないか考え、
ご提案し採用いただきました。
北山杉のカウンターテーブル、脚には天然出絞丸太という珍しい使い方です。

腰板は北山杉の丸みと年輪の細かさを楽しめる面皮を採用しました。
上端の横材は背もたれになるので磨丸太のままとしています。
丸テーブルは京都府産のヒノキ材の接ぎ合わせで上品な仕上がりとなっています。
腰板、丸テーブル


出隅には北山杉のタルキ(垂木)になる細い材料を使いました。
壁で塗りまわすのとは違い、1本ラインが入ることで空間がはっきりとする効果や
人が壁に当たって壁が削れるのを防ぐ効果もあります。

看板も北山杉で作成しました。
こちらは某番組ご出演の人間国宝様に彫っていただきました。
北山杉の看板

今回は新装開店ということで工期も短くスピードの求められる仕事でしたが、
図面、現場を拝見し、ご施主様のご厚意により初めてこれだけの色々な提案をさせていただきました。
そしてそれらをほとんど採用してくださり、完成後はお施主様にも喜んでいただける店舗になり
大変やりがいのあるお仕事をさせていただき感謝しかありません。

京つけもの森 八坂店
https://kyoto-mori.co.jp/shop-yasaka
お土産を買うことも店内飲食もできますので是非お立ち寄りください。