建築するにあたり、柱や梁になる木(材料)をどのように選ぶかは重要だと思います。
今回は材料になる木の中でも1本に絞って、「床柱」について書きたい思います。
ただし、その他の木(材料)についても参考になるかと思います。
まず「床柱」は、和室の床の間の真ん中に立つ柱の事で、
床の間の意匠を構成する重要な材料の一つです。
(中央:赤松皮付丸太)
単に和室を日常生活で使用するにせよ、
茶事、冠婚葬祭など催し事を行うにせよ、
床の間は、掛け軸やお花、明かりなどで装飾・演出することで
季節感や特別感を作る事のできる空間となります。
床の間という空間を構成する一つとして「床柱」は中心に位置し
床の間の象徴と言っても過言ではありません。
そんな「床柱」をどのような木にするかは、なるべく床の間を使う人が決められるのが良いと思います。
この場合多くはお施主様(建築主様)という事になります。
いくつか選び方の具体例を書きます。
①意匠
和室は色々な用途で使われますので、好みに合わせた意匠作りが大事です。
落ち着いた雰囲気としたい、ある程度緊張感のある空間にしたい、奇抜で驚くような意匠にしたいなど
様々な思いがあると思いますので、その思いに合う木を選ぶことが重要です。
例えば、落ち着いた木とするならば、皮付丸太。
緊張感を出したい場合は角柱、奇抜なデザインは変木丸太など
ある程度絞ることが出来ます。
②国産材、外材、、、
木の産地、つまりどこで育った木であるかを重視する選び方です。
世界中で木は植わっていますので、日本の人なら日本国内で育った木、
アメリカに関係する建物ならアメリカの木を選ぶこともあります。
さらに突き詰めていくと、京都市で建築する場合は京都市内で育った木、
出身が秋田なので秋田といえば秋田杉、という選び方も良いかと思います。
建物の立地と木の育った場所が近いと、気候が似ているので木が建物に馴染みやすいという利点があります。
③好み
木の樹種で例えば、桜が好きである、松が好きであるなど、好みを重視する選び方です。
また、名前に木の名前が入っている方はその木に愛着があると思いますし同じ木を選ぶのも良いかと思います。
お施主様の年齢と近い樹齢の木を選ぶのも親近感があり良いかと思います。
④その他
・庭に植わっていた木を新しく作る和室の床柱にしたい
・先祖や親の家を解体した材料を使いたい
このように選び方には様々な視点があり、
お施主様の大事にしておられることを確認してから選ぶと、より思い入れのある木が選べると思います。
私たちはその提案をさせていただき、最後はお施主様に決めていただくのが理想だと考えています。
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