第二章 伐採、製造(約1年~)
北山杉の伐採、製造は秋から春になるまでの寒い期間に行われます。
それ以外の期間は北山杉としての質を損なうため行いません。
・「枝締め」
伐採する半年から1年前に木の成長を止めるため、枝を少し取り払います。
こうすることで、木の表面が引き締まり、光沢のある極め細かい表面となり、割れも防ぐことができます。
・「傷を付けない伐採」
通常の木材は木の表面に傷が付いても、削ってしまうので問題ありませんが、
北山杉の場合は表面が一番大事な所ですので、傷を付けないように伐採します。
1本1本検討し傷を付けない処置を行い伐採します。
地面で傷を付けないように伐採
・「葉枯らし、搬出」
伐採後、すぐに搬出するのではなく、1~2か月ほど山に放置し
木の中の水分を葉から発散させます。
表面が割れにくく、乾燥時に軽く丈夫な質の良い北山杉となります。
搬出時も傷を付けないように養生し、慎重にトラックで運搬します。
枝葉をそのままにして1~2か月放置
傷を付けないように養生しトラックへ積込
・「皮むき」
機械がない当時は木製や竹製のヘラで皮をむいていました。
現在は水圧機械により皮を剥きますが、表面を傷つけないよう慎重に作業します。
皮むき体験の様子 皆さん必死に皮を剥かれています
・「背割り」
背割りは表面の割れを防ぐための重要な工程。
一本一本慎重に背割りを入れる向きを決めて背割りを入れます。
・「天日干し」
皮を剥いたばかりの北山杉の表面はまだまだ水分を保持しているので、天日干しをして表面を乾燥させます。
表面が乾燥し、色が綺麗に仕上がると完全乾燥するまで倉庫にて自然乾燥させます。
これら全ての工程において傷を付けずに作業する必要があります。
次回第三章で住宅、建築に北山杉が使用されます。
見学やご購入で来ていただいた方にはご要望に応じてこれらのご説明を致します。
事前のご相談がありましたら、山の見学、伐採の見学、製造の見学などもご案内させていただきます。
ご興味のある方、ご相談などお問い合わせいただければと思います。
メール:info@uenomeimoku.jp お電話:080-2517-1411(上野)
※北山杉・北山丸太の育て方にはいろいろな方法があります。
生産者が約700年の歴史の中で試行錯誤しながら培ってきたもので
上記の製造方法が全てではありません。